まず慶應が準決勝へ一番乗り、続いて土浦日大も初めての準決勝へ「脱丸刈り」髪型が自由なチームが甲子園優勝となるか

甲子園

第105回全国高校野球選手権は、準々決勝を終え、準決勝を迎えます。

準々決勝では、部の規則で髪型を丸刈りと定めない「脱丸刈り」のチームが、ベスト8のうち3校を占めました。慶應、土浦日大、そして花巻東です。

8月19日の準々決勝では、慶應は第一試合に沖縄尚学に勝利しました。また土浦日大も、第二試合で八戸学院光星に勝ちました。そして花巻東は、第四試合で仙台育英と「東北対決」で激突しましたが敗れました。

8月21日の準決勝の組み合わせも決まり、「脱丸刈り」のチームが優勝するかもしれない可能性が見えてきました。

慶應は、6回の猛攻で逆転、そのまま準決勝へ

第一試合で、慶應は沖縄尚学にツーランホームランで先制されました。しかし6回に、今大会で、完封勝利を重ね、わずか1失点だった東恩納蒼投手を攻略しました。

一気に打者一巡をする猛攻撃で6点を挙げ、逆転しました。勢いそのままに、103年ぶりに準決勝へ駒を進めました。

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試合後のインタビューで森林監督は、103年ぶりとなった準決勝進出について、次のように語っています。

「全くピンとこないですね。それだけ久しぶりのことを成し遂げられたということは選手たちの頑張りが素晴らしいと思います」

また、先発を鈴木投手にした理由を次のように説明しています。

「総合的な判断。優勝したいが、この試合に勝たないと先がない。でも、チームとして成長させるために(エースの)小宅が先発じゃないパターンも、やりたいと思った。いろんな兼ね合いや、鈴木の調子も神奈川大会より良くなってきたこともあった。」

そして、チームが大逆転した6回に、代打で清原選手を、先頭打者として起用した理由については、

「期待感や空気を変える役割はあると思う。結果は出なかったが、六回のチームの反撃にはつながったと思うし、間接的に逆転劇に貢献してくれた。代打清原で球場がワッとなる感じは前回も経験したので、それは期待しました。」と述べました。

ゲーム内での作戦展開は選手に任せていますが、もっと大きな慶應のゲーム展開の根底を作っているのは森林監督なのだと思わされるインタビューでした。

土浦日大も、創部以来初めての準決勝へ

また第二試合でも、土浦日大が八戸学院光星を9-2で破り、初めて甲子園で準決勝に進みました。茨城県勢としては20年ぶりとなります。

八戸学院光星をわずか2点に抑えました。この試合を解説者は土浦日大を「いつの間にか点をとっているチーム」を評していました。終わってみれば7点差での勝利でした。

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試合を終えて、小菅監督は次のように述べています。

「スコアは予想できなかった。5点くらいの勝負になるかなと思っていた。」

「(6回に一挙5得点できたのは)クーリングタイムで試合が動くことが多いので、後半の初回と(して)気持ちを切り替えた。」

小菅監督も、大局を把握して好機を作り、慶應と同じく6回に大量得点を挙げました。

準決勝進出を決め、ますます応援も力が入っています。すでに学校が確保していた準決勝のチケットは完売しています。

花巻東は猛追及ばす、敗退

花巻東は、夏の大会二連覇を狙う仙台育英との対戦となりました。

花巻東は仙台育英に序盤から押さえ込まれました。9点差を追いかけた9回裏の攻撃で4点を取りますが、及ばずゲームセットとなりました。

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9回裏の攻撃では、主砲の佐々木麟太郎選手まで回そうとチーム一丸となって粘りを見せました。

その期待に応えようと、佐々木選手もヘッドスライディングで意地を見せました。

花巻東の最後まで諦めないプレーに、ネットでは大きな賛辞が送られていました。

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花巻東は2013年以来の準決勝進出とはなりませんでした。選手たちは、誰も甲子園の土を集めませんでした。「いつからとはわからないが、(それが)伝統となっている」と佐々木監督から説明がありました。

準決勝は、すでに劇的な巡り合わせが

慶應と土浦日大は、8月21日の第二試合で激突します。

土浦日大を率いる小菅監督は、取出二高(茨城県)時代に、1984年の夏の大会で優勝を果たしています。

その対戦相手は、元プロ野球選手の清原和博選手がいたPL学園(大阪府)でした。

土浦日大の対戦相手・慶應には、清原和博選手の二男・勝児選手が在籍しています。準々決勝で清原勝児選手に、打席がまわってきた際は、大きな歓声が起こりました。

約30年の時を経て、こうした巡り合わせがあるのも、甲子園ならではのドラマです。往年のファン達は、準決勝を前にすでにネット上で盛り上がっています。

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さあ、いざ準決勝

8月20日、甲子園のトーナメントは中日となり、各校のチームはそれぞれ練習日となりました。

慶應は、兵庫県内で練習を約2時間行いました。各自が、みっちりと打ち込んで調整していました。

練習後に森林監督はインタビューを受けました。監督は準決勝の試合運びについて聞かれると、しばらく沈黙しました。冷静な面持ちで「最後に1点勝っていればいいです」のみ語りました。

土浦日大の小菅監督は、慶應について「関東でナンバーワン。力は向こうが少し上かもしれないが、勢いはどっこいどっこい。」と述べました。

そして準決勝への意気込みについて「散るなら散るで、思い切ってやりたい。 」と語っています。

慶應と土浦日大は、8月21日の第2試合で激突です。同じ関東勢、そして、同じ「脱丸刈りチーム」の両校の試合はどんなドラマを描くのでしょうか。早く観たいですね。

*アイキャッチ画像は、準決勝進出一番乗りを決めた慶應の選手たち(THE DIGEST)

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