慶應丸田湊斗選手、U18ワールドカップ、オープニングラウンドでの活躍まとめ

甲子園

2023年8月31日~9月10日に台湾で『 第31回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ 』が開催されます。

慶應高校の丸田湊斗選手は、この大会で初めて日本代表に選ばれました。こちらの記事では、丸田選手のオープニングラウンドでの活躍をご紹介します。

9月1日 対スペイン戦 10-0、6回コールド勝ち

日本は、スペインとは2019年(第29回大会)でも開幕戦で対戦し、4対2の接戦で勝利しています。

今大会では、日本はスペインに得点を許さず、10-0で圧勝、6回コールド勝ちとしました。

Full-Countより、先発の東恩納蒼(沖縄尚学)選手、緒方蓮(横浜)選手と

丸田選手の試合前の様子

丸田選手は、この日は3番センターでスタメン出場しました。

丸田選手も自ら荷物を持って球場入りします。

丸田選手は、試合前に、グラウンドで東恩納蒼(沖縄尚学)選手とじゃれ合う姿も見られ、緊張した様子はありませんでした。

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プレーボール〜丸田選手は4打数1安打、日本代表・初得点

スタメンが場内にコールされ、丸田選手の名前が天母野球場に響きました。

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1回の裏、1番の寺地隆成(明徳義塾)選手と、2番の小林隼翔(広陵)選手がフォアボールで出塁すると、丸田選手はバントで、2人を送ります。

その後、4番の森田大翔(履正社)選手がセンターへ犠牲フライとし、日本は1点を挙げました。丸田選手のバントが得点に貢献しました。

2回の裏、丸田選手はセンター前ヒットで、日本代表として初打点を記録しました。続いて、盗塁も成功させます。試合後のインタビューで、丸田選手は「自分の武器は足(俊足)」と答えています。

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5回裏の丸田選手の打席の様子です。

試合後の丸田選手の感想

丸田選手は、試合後のインタビューで、スペイン戦を振り返りました。

初回のバントについては、慶應高校であったら「たぶんバントではなかった」とし、「みんな本当に凄い選手ばかり。与えられたところで、自分の役割を全うしようという気持ちでこのチームに合流している」と振り返りました。

また「最初(オープニングラウンド)はトーナメントではないので、負けたら終わりという感じがまだない。甲子園ほどの緊張感を持つべきなんですけど、そこはちょっと違うかなと」と、初めての侍ジャパンでもリラックスしている理由を語りました。

試合終了後に馬淵監督の話を聴く丸田選手の様子です。

9月1日は台風11号の影響により、観客も多くありませんでした。しかしながら、多くの方が日本、丸田選手を応援していました。

丸田選手の現地のファンは、「米粒ほどの大きさ」としながらも丸田選手の写真を投稿していました。

試合終了後のクールダウンの様子を伝える投稿では、ファンがなかなか球場を後にしないとコメントがありました。

選手たちが球場を後にする時も、見送るファンが集まっていました。

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この日の馬淵監督の采配に議論が、その中で丸田選手の名前が挙げられる

8月27日の練習で、U18侍ジャパンの選手たちは、国際審判員から国際試合における「アンリトンルール(暗黙の規則)」について説明を受け、それらについて学びました。

国際試合において、初回からバントはしない、7点差以上がついたら、攻撃側は盗塁をしない、リードした守備側は、けん制球を投げない…など、相手チームをリスペクトする前提でプレーすることが望まれます。

しかし、スペイン戦の初回で、馬淵監督が丸田選手に出した指示は「バント」でした。そのため丸田選手が意図したわけでもなく、話題に巻き込まれる結果となりました。

9月2日 対パナマ戦 7−0で2連勝

日本は、パナマと2022年(第30回大会)で対戦し、5対4のサヨナラ勝ちしています。

試合前日にパナマの公式練習を視察した馬淵監督はパナマチームについて、「今年も強い。特に打力が高い」と評していました。

蓋を開けてみると、日本はパナマを7-0で下し、開幕2連勝しました。

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試合前の様子

丸田選手は、この日は7番センターでスタメン出場しました。

大雨の影響で、試合開始時間が遅れました。試合前に各チームともシートノックを行いました。丸田選手もパナマのシートノックを見守っています。

丸田選手の試合前の様子です。

この日も、丸田選手と東恩納選手がベンチでつるむ様子が見られました。チームの中でも、2人はとても気が合うようです。

プレーボール〜丸田選手は得点に絡まず

丸田選手は、2回の裏に最初の打席が回ってきました。ライナーのような強い打球でしたが、レフトフライでした。

続く2打席目は、2球目の132キロのストレートを狙いました。丸田選手の打球はライトの深いところまで飛んで行きました。しかしながら、台風11号による強風の影響が出たのか、打球は押し戻され、ライトフライとなりました。

第3打席は、6回に回ってきました。ピッチャーへのバントを決めました。着実にランナーを前に進め、チームでの役割を果たしました。

現地ファンの反応

パナマ戦も台風の影響で試合前に大雨に見舞われました。しかし、土曜日であったことから観客は多く、丸田選手に関する投稿も多く見られました。

試合前から、丸田選手は多くの声援を集めていました。

プレーボール前に、選手が集合して円陣を組む様子です。

丸田選手について「メディアの寵児、美白王子」と紹介しています。

ベンチを映したカメラは丸田選手を狙っています。とても恥ずかしがり屋の丸田選手を、寺地選手が隠してあげた、微笑ましいシーンも投稿されていました。

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9月3日 対アメリカ戦、4−3で逃げ切り、開幕3連勝

9月3日の第3戦の相手はアメリカです。アメリカは、前回大会で優勝している強豪です。

台風の影響により、9月2日の時点で試合時間の繰り上げが発表されました。しかし、3日当日になって1時間半遅れてプレーボールとなりました。

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グループBで、日本は2勝を挙げていますが、アメリカも2連勝で、両チームは同率1位です。

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プレーボール〜6番センターで出場もヒットなし

丸田選手は、6番センターでスタメン出場しました。

1回の表に第1打席を迎えます。5番の森田大翔選手がスリーベースを放ち、2点を挙げた直後です。丸田選手は10球粘って、フォアボールを選び出塁しました。

続く第2打席は3回に回ってきました。ツーアウトランナーなしの場面で、丸田選手はショートゴロに打ち取られました。

5回にやってきた第3打席では、ツーアウト、ランナー2、3塁の場面でした。丸田選手は、外角低めの球を打ちましたが、センターフライに倒れました。追加得点を挙げることはできませんでした。

最後の打席は7回でした。先頭バッターの3番の緒方選手がフォアボールで出塁し、日本は追加点のチャンスを迎えます。4番の森田選手はバントで送りました。

5番の森田選手がセカンドゴロに倒れ2アウトとなり、丸田選手に一身に期待が集まりました。しかしながら、丸田選手もショートフライに倒れ、日本の攻撃が終わりました。

丸田選手は、スタンドのファンから声をかけられると、視線をそちらに向けて軽く会釈をしました。丸田選手の人柄が垣間見える瞬間です。

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4回裏 アメリカの攻撃で誤審?

4回裏に、二塁上のタッチプレーをめぐる判定でリプレー検証される事態となりました。

日本は、アメリカの3番・モランド選手にツーベースを打たれ、4番のグリフィン選手を迎えました。グリフィン選手はピッチャーゴロでした。その際の走塁をめぐりリプレー検証がされました。

検証の結果、2塁にいたモランド選手は走塁アウト、グリフィン選手も走塁アウトとなりました。

この判定をめぐり、ネットでは2塁の塁審に対して、抗議が殺到しました。

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7回裏のアメリカの反撃、最後までハラハラの展開に

アメリカは、7回の最後の攻撃で意地を見せます。日本に1点差まで追いつきますが、リリーフに入った森選手の見事なピッチングで最後のバッターを三振に抑えました。

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U18侍ジャパンがアメリカに8年ぶりに勝利しました。チームメイトと一緒に、丸田選手も喜びを爆発させています。

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日本は、アメリカに4−3で勝利し、オープニングラウンド3連勝としました。9月3日現在、グループBの1位です。

9月4日 対ベネズエラ戦 10-0で大勝、オープニングラウンド突破

台風11号の影響で、試合開始時間がまた繰り下げられ20時(現地時間)プレーボールの予定です。なおグループAの、台中で行われる試合は全て中止となりました。

ベネズエラ戦も、日本のナイターよりも試合開始時間が遅くなりました。通常、このような時間にプレーをすることはないのではないかと思われ、選手たちの体調管理が気にかかります。

またこの日は、前日のアメリカ戦でプレー中に負傷した、U18キャプテンの小林選手が入院して戦線離脱をしました。

丸田選手も、小林選手をお見舞いするU18の動画に加わります。

丸田選手の試合中の様子

ベネズエラ戦でも、丸田選手のバットから快音は響きませんでした。しかし丸田選手を応援する熱は冷める様子はありません。

試合終了、丸田選手は小林選手とともに

試合は夜の10時半に終了しました。最後の回には、「寝るなよ!」とベンチからゲキが飛ぶほど、異例の時間帯です。

スーパーラウンド(2次ラウンド)進出を決め、チームは記念撮影をします。丸田選手は最後列で撮影に臨みました。

丸田選手は、負傷した小林選手と宿舎で同部屋です。その小林選手のユニフォームと共に球場を後にしました。

東スポWEBより

9月5日 対オランダ戦、0−1で惜敗

オープニングラウンド最後の相手はオランダです。オランダは、日本と同じく、スーパーラウンド(2次ラウンド)進出を決めています。

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ワールドカップでは、オープニングラウンドの戦績もスーパーラウンドに影響します。馬淵監督は「1位通過を必須」とし、日本はグループBの1位通過を目指してオランダ戦に臨みました。

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丸田選手は、オランダ戦では7番センターでスタメン出場です。

試合前に、丸田選手に監督からバッティング指導

馬淵監督は、丸田選手のポテンシャルを認めた上で「お前が打てなくても勝てているんやから心配することはない」と声をかけたことを明かしました。

そして、試合直前に丸田選手に馬淵監督から直接バッティング指導がありました。バットの軌道を肩と平行に振るレベルスイングを徹底するように言われ、丸田選手は、何度も確認をしていました。

今回のU18のチームは、もともと外野手は丸田選手を含む三人しか選出されていません。金属バットから木製バットにかわり、まだ本調子が出ていない丸田選手ですが、その捕球の技術と俊足を買われてスタメンに選ばれている背景があります。

丸田選手の様子を見ると、少し疲れが出ているように見えます。神奈川県大会から、甲子園決勝、そしてU18に合流して、この数ヶ月連日稼働して休みがないのではないでしょうか。

また台湾の食事も合わないことから、スタミナも心配されるところです。試合前、丸田選手は緒方選手と共に、黙々とトスバッティングを行っていました。

オランダ戦、日本チーム唯一のヒットは丸田選手

オランダ戦で、丸田選手はスペイン戦以来のヒットを放ちます。

日本が1点を追う5回、ツーアウトランナー2塁の場面で、丸田選手の打席が回ってきました。馬淵監督から「お前で勝負だぞ」と声をかけられ送り出されます。

丸田選手は、フルカウントまで粘りました。1-2塁間を抜け、丸田選手の打球はライト前のヒットとなりました。

観客席からの動画です。ファンも丸田選手の一打を待っていた、その興奮が伝わってくるようです。丸田選手の俊足も見られます。あっという間に2塁まで走り抜ける姿は圧巻です。

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丸田選手のコメント

この打席まで、丸田選手の打率は0.91まで落ちていました。試合終了後に、丸田選手は次のように語りました。

報知新聞社

「(丸田選手を)信じて使ってもらっていましたし、知花(選手)がチャンスを持って来てくれたので、なんとか打たなければという思いでした。得点にはならなかったんですけど、この1本は気持ち的に非常に大きいと思います」

「ここで満足しては意味が無いので、迷惑をかけてきた分、スーパーラウンドで活躍したいです」

「慶応はきれいな野球をしがちと思われているかもしれないですけど、そこは全然、泥くさくやるので。世界一に向けて、自分が与えられた役割を全うしたいです」

またアメリカ戦で負傷して、ベネズエラとオランダ戦から戦線離脱中の、日本チームのキャプテン小林選手に向けて、次のように語りました。

「(小林選手が)戻ってきたら頼ってもらえるように、チームの力になれるようにやっていきたい」

丸田選手と小林選手は、今回宿舎で同部屋です。小林選手の打撃を丸田選手は参考にしていたそうです。丸田選手が野球を通じて、チームや仲間を想う気持ちが伝わってきます。

日本はスーパーラウンドに2位で進出

日本はオープニングラウンドを4勝1敗とし、アメリカ、オランダとともに1位となりました。ワールドカップのルールで、日本の順位は2位となりました。

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スーパーラウンドは、オープニングラウンドの成績を反映します。そのため日本は「1勝1敗」という成績から、スーパーラウンドを戦います。

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スーパーラウンドに進出したチームは確定しましたが、日本のスーパーラウンドの対戦カードは、9月6日時点でまだ未定です。

グループAの順位が決まっていないためです。韓国とプエルトリコの試合が、9月7日の9時に再開され、その結果で日本の対戦相手が確定します。

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日本のファンも、台湾のファンも、スーパーラウンドでの丸田選手の活躍を楽しみにしています!

丸田選手が、在籍していた横浜泉中央ボーイズ時代の写真をパネルにして応援するファンも現れました。

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試合終了後の見送りの声援に、丸田選手は帽子をとって会釈します。連日の試合で疲れていても、こうした丸田選手の丁寧な応対を見ると、ますます丸田選手のファンが増えそうですね。

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*アイキャッチ画像は、スペイン戦でヒットを放ち出塁する丸田選手(Full-Count)

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